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2025年7月9日水曜日

東京・三越前:行方不明展

THEおばけやしき以外にも、ホラー展覧会についても書くこの「おばけやしきブログ」、古巣(株式会社闇)の「行方不明」をテーマにした展覧会「行方不明展」についてもご紹介します!

まずは展示概要から。

『行方不明展』とは                                

[ゆくえ・ふめい]【行方不明】
どこへ行ったかわからないこと。行方知れず。
出かけたまま帰ってこず、行き先や居場所がわからない状態。

[類語] 失踪・失跡・蒸発・神隠し・家出・消息をたつ

会場では、貼り紙、遺留品、都市伝説など、様々な行方不明にまつわる物品や情報を集め分類を分けて展示します。みなさんも「行方不明」の痕跡を辿り、理解を深めてみてはいかがでしょうか。なお、本展で紹介した行方不明者を捜索する必要はありません。
※この展示はフィクションです。

行方不明をテーマにした展覧会で、会場にはイラストから手紙、物品まで、とにかく様々な行方不明にまつわる物品や情報を集めている。会場が分かれていてひとつひとつ見ていくと結構すごい量のコンテンツ。脳は疲れるが、満足感はある。でも、答えがあるわけではなく、見て、自分なりの考察をして、楽しむかたちなので、答えがあってほしい人、答えを探したくなる人にはちょっと過酷な展示なんだろうなあ、とは思った。

自分はわりと答えがほしくなってしまうタイプなので、「こういうものだ」というものに順応するまでは結構大変だったんだけど、それ以外は本当によく出来ていて、(多分)すべてフィクションなはずなのに、持ち主や意図して遺した息遣い、みたいなのが感じられて、さらには、どれが展示物でどれが元々ある会場の備品なのかが分からないのも疑心暗鬼になるのがいいなあ、と思った。お家芸だね!

そしてなにより、SNSシェアを許可しているのがうれしいしありがたい!おばけやしきにはできないけど、ホラー展覧会にはこれができるから強いよね!

株式会社闇と梨さん、怪文書展→行方不明展→恐怖心展と展示コンテンツ頑張っているので、引き続きおばけやしき好きとして、そして元社員としてウォッチしたいと思います!

お化け屋敷レーダーチャート

ストーリー:★★★★☆
演出:★★★★☆
エンタメ:★★★★★
芸術性:★★★★★
再訪可能性:★★★☆☆

お化け屋敷プロフィール

名前:行方不明展
住所:東京都中央区築地1-7-10 ABL築地ビル4階
営業時間:2024年7月19日(金)〜9月1日(日)11時〜20時
最寄り駅:三越前
入場料:2,200円(税込)
公式HP:https://yukuefumei.com/

2025年7月7日月曜日

東京・東銀座:弥生 第一章

この「弥生 第一章」は、日本ではなく、最近イマーシブコンテンツが激アツ!と言われている中国からやってきた、おばけやしき。

ちなみに、ジャンルとしては、「劇場型マトリックスゲーム」ですが、おばけやしきカウントしても問題ないとのことで、このブログでもご紹介です!

でも、おばけやしきとしての評価もおもしろくて、おばけやしき要素も多分にあるけれど、普段おばけやしき苦手な人が意外と平気だったり、おばけやしきが大丈夫な人がビビり散らかしたりするらしく、その雰囲気にどう飲まれるのか、によって感じ方が変わってくるそうで。その多面的多角的な評価が出る感じも日本っぽくなく、かなり興味深いです。

そんな「弥生 第一章」のストーリーは以下の通り。

この世界のどこかに『弥生薬局』という不可思議な場所がある。
それはとある旅館の中に隠されているが、簡単にたどり着けない場所にあると言われている。
伝説によれば、その中にはどんな願いでも叶えることができる不思議な物があるとのこと。
だが最後に待ち受ける運命に、あなたは立ち向かえるか。

という全体のストーリーとともに、第一章のストーリーも。

捜査員の皆さん、こんにちは。私は刑事部捜査一課の鈴木と申します。
皆さんに折り入ってお願いしたいことがあります。
とある旅館『蜃』で男性の変死体が発見される事件があったのですが、
その人はまるでミイラのように渇き切った奇妙な姿で亡くなっていたのです。
当署の捜査ではこの謎めいた事件の真相究明に行き詰まってしまい
そこで捜査員の皆さんに捜査協力をお願いしたい。
事件現場はすでに封鎖しているのですが、皆さんは捜査員として現場に入れるようにしておきます。場所は旅館『蜃』の6階にある部屋です。
幸運を祈っています!

部屋の作り込み、ギミックがとってもおもしろく、リアル脱出ゲームやイマーシブシアターが好きな人はきっと刺さるはず!ちなみに日本のものよりもよりシステマティックで、ダイナミックな演出が多い印象でした。あれほどのセットがビルのなかにあるの、脳がバグる……!

アクション要素もあるし、味覚以外の五感はしっかり刺激されるし、日本の体験型イベントをひと通り楽しんだ人にはかなりおすすめ。

また、いわゆるイマーシブ要素に重きをおいていて、謎解きもあるものの基本は謎が解けないからゲームオーバーや脱出失敗になるのではなく、必ずクリアできるかたちになっていて謎解きに自信がない人や苦手な人も満足度高く楽しめるので、そういう意味でもいろんな人に体験してもらいたいな!と思います。ただ、ストーリーは結構難しめで、若干理解できていないところもあって(自分の脳みそが)残念……。リピーターが楽しめるコンテンツもあるそうなので、ぜひまた行ってみたいと思います。

ちなみに、中国で生まれたから独自進化しているところと、中国で生まれたのに日本のおばけやしきと類似しているところがあるのも不思議だなあ、と。系譜が違っても、あるポイントにおいては行き着く先は似てくるのでしょうか。そういうところも含めて大変興味深いおばけやしきでした!


お化け屋敷レーダーチャート

ストーリー:★★★☆☆
演出:★★★★★
エンタメ:★★★★★
芸術性:★★★★☆
再訪可能性:★★★★★

お化け屋敷プロフィール

名前:弥生 第一章
住所:東京都中央区築地1-7-10 ABL築地ビル4階
営業時間:平日:13:00-20:00、土日祝・ハイシーズン:10:00-20:00
最寄り駅:東銀座
入場料:2人の場合は6,500円/1人、3〜4人の場合は6,000円/1人、5〜6名の場合は5,500円/1人
公式HP:https://mrxjapan.com/

2025年7月5日土曜日

東京・方南町:呪物cafe ジュジュ

 「Y澤精肉店」前に新しくできた「呪物cafe ジュジュ」。

一階は 普通の(おもちゃ箱をイメージした)カフェなのに、天井を見上げると壁にシミができていたり、植物が枯れていたり……。それは、二階から呪いが染み出してきているから。



二階にのぼると、そこには「呪物cafe ジュジュ」オーナーの月島が集めた、古代から伝わる"呪物"の数々が展示されているカフェが。

さまざまな呪物のほかに、部屋の奥にはタンスがあり、そこを開けると鏡が出現し、対面の壁にある鏡とあわせると「合わせ鏡」が完成してしまう仕掛けなども。

そして、しっかりとおばけやしき要素もあり、メニュー(1,000円)からオーダーすると、奥のサウンドルームでオーナー・月島による「呪物の説明会」も体験できます。

現在は「岩塩仏」と「腹話術人形 まあくん」の2話を体験が可能。オーダーをすると真ん中にその呪物が飾られているサウンドルームに案内され、暗闇のなか立体音響のヘッドフォンをしてその呪物にまつわるストーリーを聞くというもの。いわゆるサウンド型のおばけやしきです。

岩塩仏 日本(中部地方)


中部地方にあった塩湖。

その周辺から産出された岩塩の塊を掘って作られた像です。

像として掘り込まれた"何者か"は、仏教や神道で現在の日本に資料の残る存在ではない事がわかっており、 また、 岩塩の産出地であった塩湖はすでに干上がっている為、地図などから発見することは叶いません。

しかし、岩塩仏は現在でも複数体の存在が確認されています。 中でも当店に安置されている物については、損傷が少なく、 "表情が分かる "非常に希少なものとなっております。

腹話術人形「まあくん」 日本


2004年とある腹話術師から譲り受けた物です。

その際「人形から声をかけられても決して返事をしてはいけない」と告げられました。

どうやらこの腹話術人形はあらゆる手段を使い声をかけてくるようでその声に答えてしまうと舌を抜かれてしまうようです。

時折このカフェでもどこからともなく「僕の名前を呼んで……」と声が聞こえてくる時があります。

岩塩仏はストーリーがちょっと難しいけどにじりよる怖さが楽しめて、腹話術人形「まあくん」はストーリーは分かりやすくてより直接的な恐怖が楽しめました!

どっちも良かったけど、まあくんがとっっってもかわいかった!!!きゅるるんとしたおめめと、おててがとってもかわいいでした!

ちなみに、この「呪物の説明会」に出てくる呪物はカフェには出てこないということなので、ぜひ「呪物の説明会」に参加し、まあくんを間近で見て欲しいです。

現在は、2つから選ぶかたちになるけど、今後どんどん「呪物の説明会」のエピソードは増えていくそう。

オバケンさんのおばけやしきは方南町にいくつかあるので、休憩がてら行くのもおすすめ。おいしそうなメニューがたくさんあったし、こだわりのラッシーもあったよ! 

ちなみに、「畏怖 咽び家」に行ったことある人ならグッとくるあの「壁の絵」も呪物「大量殺人がおきたいえの壁の絵」として飾られていたのがめっちゃくちゃよかった。

聞いたら、「畏怖 咽び家」がもともと住居として使われていた時代の「壁の絵」だったそうで、それが剥がれちゃったから保存してたもの「呪物cafe ジュジュ」に持ってきたそう。あの「畏怖 咽び家」は元の絵に似せて描いたものらしい。へー!ということで、こっちがオリジナルだそうです!


いろいろ小技が効いている「呪物cafe ジュジュ」、今後のアップデートもとってもたのしみにしています!


お化け屋敷レーダーチャート

ストーリー:★★★★☆
演出:★☆☆☆☆
エンタメ:★★★☆☆
芸術性:★★☆☆☆
再訪可能性:★★★★★

お化け屋敷プロフィール

名前:呪物cafe ジュジュ
住所:東京都杉並区方南2-4-27
営業時間:13:00〜20:00(ラストオーダー 19:30) ※火曜・水曜定休
最寄り駅:方南町
入場料:2F呪物フロアの客室は、別途一人600円(税込)のチャージ料金が発生
立体音響による呪物の説明会 ¥1,000(税込)
※呪物の内容や金額は時期により変わります
公式HP:https://obaken-event.wixsite.com/cafe-joujou

2025年7月3日木曜日

東京・ラクーア(後楽園):呪いの硝子窓

 元々「怨霊座敷」として実施していたおばけやしきを、基本装飾はそのままに、後日譚というかたちで、ストーリーや演出をアップデートして作られたのが「呪いの硝子窓」。


(いま気づいたけど、何回も行った「怨霊座敷」についてのブログを書いていなかった…!)


ストーリーは以下の通り。

この夜雨子の家に、今度は瑠璃と秋人という夫婦が引っ越してきました。

二人は一つだけ気になることがありました。

家の奥に、鍵の掛かった“曇り窓の付いた部屋”があったからです。

その部屋は、夜雨子が閉じ込められて亡くなった部屋だったのです。

夜雨子は、秋人をたぶらかし、自分と瑠璃を入れ替えてしまったのです。

今でも、瑠璃はその部屋から、助けを求めてきています。

どうか、窓のついたドアを開けて瑠璃を助け出し、もう一度、夜雨子を部屋に閉じ込めてください。

いやーーーさすが五味さん!元々の部屋や装飾はそのままに、アップデートするのはさすが。前のストーリーが強すぎて(蝶のところとか)ノイズになりそうなところもあったけど、うまく馴染ませていたな〜と。

また、すりガラス越しに被写体が存在するように錯覚させる技法「志茂式ファンタスマゴリー」を生み出したメディアアーティスト・志茂浩和さんとコラボして作られた「呪いの硝子窓」も最高だった。美しすぎた。

志茂さんからのアプローチだったみたいだけど、良いコラボだったなあ。またぜひコラボしてほしい。

そして、「呪いの硝子窓」は終わり、8年間の集大成「怨霊座敷 THE FINAL」が 2025年9月16日まで開催中。過去作品の名シーンも再現されるということで、「怨霊座敷」にまだ行っていない人はもちろん、「呪いの硝子窓」だけしかまだ見れていない人はぜひ!

お化け屋敷レーダーチャート

ストーリー:★★★★☆
演出:★★★★★
エンタメ:★★★★☆
芸術性:★★★★☆
再訪可能性:★★★☆☆

お化け屋敷プロフィール

名前:お化け屋敷「怨霊座敷」特別演出「呪いの硝子窓」
住所:東京都文京区後楽1-3-61東京ドームシティ アトラクションズ
営業時間:10:00~16:00【絶叫編】 17:00~22:00
最寄り駅:水道橋駅、後楽園駅、春日駅
入場料:1,050円 【絶叫編】 1,200円 ※ワンデーパスポート・ライド5・アトラクション1回券での入場可
※【絶叫編】はワンデーパスポート・ナイト割引パスポート・ライド5・アトラクション1回券利用の際は、別途700円が必要
公式HP:https://at-raku.com/attractions/laqua/onryouzashiki/
(現在は「怨霊座敷 THE FINAL」の情報になっています)

2025年7月1日火曜日

東京・方南町:Y澤精肉店

「畏怖 咽び家」と同じ方南町にある「Y澤精肉店」。「畏怖 咽び家」が殺人鬼のいる家から脱出するのに対して、こちらはその名前の通り精肉店から脱出するというもの。ただし、これはお化け屋敷の要素である「驚かし」を排除した、お化け屋敷が苦手な人でも遊べる「謎解きに特化したアトラクション」ということで、ストーリー自体や演出にホラー要素はあるものの、わー!とかぎゃー!とかが(ほぼ)ないので、わー!ぎゃー!が苦手な人にもおすすめ。

場所は、方南町の商店街のなかにあるのですが、本当にパッと見街の精肉店に見えるので、間違えて入ってくる人もいそうなくらいの外観です。プレイ後に写真撮るととっても素敵で怪しい写真が撮れること間違いなし!

わたしは魔女宅風に撮りました。「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」げんきです!


ちなみに、ホラーで肉ということは……勘のいいみなさんならきっとお分かりでしょう。

レベル1〜レベル3からなるものなのですが、基本的にストーリーが続いているわけではなく、そして、各レベルでもストーリー自体は大きく変わらず、ミッションや謎解きがそのレベルごとに変わるので、パラレルワールド的な設定。

そのため、今回はブログ記事はひとつにまとめています。

なお、どのレベルからやっても大丈夫なのですが、おすすめはやはりレベル1→レベル2→レベル3と順番にやること。その理由は後で書いておきます。

ストーリーは、以下の通り。

約2ヶ月前に捜索願が出ている行方不明女性 相見真奈(あいみ まな)さん 28歳を捜索中、 公共空間に設置された防犯カメラに以前2件もの別の行方不明事件で 取り調べを受けたことがある男性らしき姿が映っているのを捜査官の1人が偶然発見した。

男の名前は院瀬見 秀治(いせみ しゅうじ) 51歳 彼は茨城県鹿嶋市にある民間の研究所で打ち上げロケット部品の技術開発担当を務めていたが 2011年に同じ研究所の職員が工場の機械に巻き込まれ死亡した事件で、院瀬見は重要参考人として取り調べを受けるが、警察は事故死と断定。

翌年2012年には妻の院瀬見遥(いせみ はるか)41歳 が人に会うと言って家を出て行ったきり行方不明となり、その事件でも通報者である院瀬見は重要参考人とされたが、容疑はかけられないまま院瀬見の妻は一般家出人として処理された。

同年より院瀬見は辞職後、濊澤 明(わいざわ あきら)という偽名を使い杉並区にて「Y澤精肉店」を開店、オーナーとして精肉の販売をし始めた。

君たちには今すぐY澤精肉店へ行き院瀬見と彼の店舗を調べてもらいたい。

尚、院瀬見の営む精肉店は肉の予約販売を専門としている様子で営業時間が不規則という事が調べでわかっている。 彼とスムーズに会うにはまず対象のホームページから肉の予約注文をし彼とアポイントメントを取る事が得策と言えるだろう。 しかし、くれぐれも気をつけて欲しい。彼は2件以上の不可解な事件に関与しているかもしれない人物だ。検討を祈る。

本物の精肉店の店に入ったかのような内装にめちゃくちゃテンションアップ。ただ、謎がめちゃくちゃ難しく……。「爆弾解除マニュアル」っていうゲームがあったのですが、まさにあんな感じ。プログラマーとか連れて行きたい……。ひらめきより読解力が必要で、本当に難しいようで、トランシーバーからヒントもらう救済措置もありました。それがあっても無理ゲーだったのですが……。

レベル1は、序章という感じで、レベル2レベル3と比較すると「Y澤精肉店」のなかではかなりベーシックな謎解き+動き方をするので、まずはこれをプレイするとその後に続くレベル2レベル3がやりやすくなると思います。

レベル2は割とアクティブ謎が多く、そしてレベル3は細かい謎が多くそれ自体はかなり煩雑になるのですが、最後の最後でオバケンさんのお家芸が登場し、マジでさすがだな……という感じ。個人的にはレベル3は絶対プレイして欲しいです。めちゃくちゃよかった。

オバケンさんといえば基本的にGAME OVERを繰り返しながらプレイしていくスタイルなのですが、この「Y澤精肉店」は基本的にはGAME CLEARか、GAME OVERか。GAME OVERになったら基本は解説込みで終了となります。解説なしでリベンジしたい人は聞かないという選択も可能とのことです。

ホラー系の謎解きは誘える人が限られてくるのですが、「Y澤精肉店」なら誘いやすく、それでいてホラー映画あるあるの世界観が詰め込まれているのでとても楽しいと思うので、ぜひいろんな人に体験してもらいたいです!


お化け屋敷レーダーチャート
ストーリー:★★★☆☆
演出:★★★★
エンタメ:★★★★
芸術性:★★★☆☆
再訪可能性:★☆☆☆☆


お化け屋敷プロフィール
名前:Y澤精肉店
住所:東京都杉並区方南2-5-9第二細野ビル1階
営業時間:平日12:30~20:00、土日祝10:30~20:00最寄り駅:方南町
入場料:4,000円(チケット手数料別)定員 6名
公式HP:http://obakensan.com/y_seiniku/